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心に刻む瞬間を切り取ろう!一枚の投稿で自己表現する方法


今回は、世界を旅する先々で切り取ったフォトジェニックな写真をSNS で発信するトラベルフォトライター・旅ガールとして活躍中の石井小百合さんを講師にお迎えして、好きなことを仕事にするまでのお話や、インパクトのある写真で人や仕事を引き寄せていける撮影テクニック、加工方法を教えていただきました。



友達に誘われたバックパッカーから旅のとりこに


石井小百合です。よろしくお願いします。

まず、私の肩書きはトラベルフォトグラファーと旅ガールとして活動しています。21歳の時にバックパッカーに誘われて、女の子3人でヨーロッパを巡る1ヶ月の旅に出ました。それに刺激を受けて、同世代の方にもっとこの良さを伝えたいと思いブログをはじめました。それから、今はフォトグラファーとしてマリオットグループのインスタアカウントを撮影したり、様々な企業からクリエイティブカメラマンのオファーを受けて活動しています。2014年にサンクチュアリ出版より『太陽とハグするイビサ島ガイド』という本を出版して、2年後に『GENIC TRIP in CORDOBA 女子PHOTO BOOK! 』を出版しています。


フォトグラファーとしてどういう写真を撮っているかというと、普通のカメラマンの方だと用意されているものを撮るのが普通だと思うんですけど、私の場合はクリエイティブカメラマンなので、ホテルに行って空間を自分で見て、作りあげて撮るというところまで含めてお仕事させていただいています。


今回話すにあたって、どうやって今までやってきたのかなと改めて振り返ってきたのでお話しさせて頂きます。ちなみに私はどこにも就職したことがないので、こういうケースもあるんだなと思いながら聞いていただけたら嬉しいいです。20歳頃の私はファッションモデルに憧れていました。ヨーロッパを国だと思うくらい旅には興味がありませんでした。モデルに憧れていたので、自分で読者モデルに応募して読者モデルにならせてもらいました。このころ、やっていたことは、洋服が好きでアイスクリームも好きだったので、渋谷の109横の31で3年間くらいアルバイトしています。自分の好きなことを探索していってそれに関わりたいっていう単純な考えで、読者モデルもしながらやっていました。


この頃、友達からヨーロッパ周遊に誘われました。当時、すごい軽い感じで誘われたので、じゃあ行ってみようかなくらいの感じだったんですけど、私バックパッカーっていうのも知らなくて、1ヶ月間リュックサックで行ったんですよ。みんなはガチな準備をしてたんですけど。でも、旅先で旅の魅力に気づきました。旅先では毎日が感動の連続で、見たことない景色や食べ物、言葉や匂い、自分の価値観がすごく変わって、日本で抱えてた悩みがマジでちっちゃいと思ったんですね。日本だと、当たり前に時間通りに電車がきて通勤してって感じですけど、旅先では切符の買い方もわからないし、バスも時間通り来なかったり、自分の固定概念を一切取り除かされて、新たな環境の中で悩みってちっちゃいなという気持ちにさせてもらいました。



旅が面白いので、今すぐ誰かに伝えたいと思い、旅にハマり、毎月のように海外へ行きました。読者モデルの撮影日って土日が多いんですけど、そういう生活をしていたら撮影に呼ばれなくなってしまったんです。だったら、旅を発信するブロガーになりたいなと思って、当時ファッションブロガーが流行り始めたころだったので、おしゃれな写真を取りながらブロガーになろうと決めました。その頃、ファッションも好きだったので、好きなセレクトショップで販売員になりました。ここでも、社員になると休みが取れなさそうなので、アルバイトで働いていました。


働きながら、いつか本を出したいなという思いがふつふつと沸き起こってきて、やっぱり文章力が大事だなと思っていたら、雑誌に小さく記事寄稿者募集と載ってたので、それに応募して、ギャランティが発生しない状態で1年間毎週5本書くのを続けて、書き方とかリサーチがうまくなって、サイト内のアクセス数トップを取れるようになりました。旅の連載もしたいなと思って、これも無償なんですけど書かせてもらえるようになりました。そのあと、ウェブを運営している人に本を出したいと話したんですね。ちょうど、その人がサンクチュアリ出版を作った時のメンバーだったので、その方に企画を出して、女子目線ということに的を絞り企画を出しました。でも、自分でやれよ的なことを言われたので、自分で観光局に電話して、現地の日本人の方に取り次いでもらって、自分で行程を組んでっていう自分任せな感じで作らせてもらいました。これが2014年ですね。


そうすると、本を出したことにより、本が名刺代わりになりました。出会いの幅も広がって、いろいろな方からお声をかけていただくようになりました。旅に特化していたので、航空会社とかホテルとかの案件が増えてきました。でも、カメラの取り方をちゃんと学んだことはなくて、外国のブロガーさんとかを真似て撮り初めていました。



好きなことに携わってワクワクする時間を重ねる


10年間を振り返って私が気づいたことをまとめたんですけど、

休日の過ごし方や働く時間も、好きなことに携わるということは大事だなと思います。洋服屋で働くとかも好きなことしか目掛けてないんですね。好きなことに携わることでワクワクする時間を重ねるのが大事だと思いました。


あとは、願うだけじゃなくて、それに伴う努力と行動が大事です。未来を想像して願うことも大事なんですけど、行動力ってすごい大事だなて思ってて、ちょっと誘われたから行ってみようとか、行きたいっていう気持ちを行動に変えていくって大事だなって思いました。


出会いは一期一会です。いつも出会いに感謝して、出会いをつなげていくのが大事なことだと思います。


継続は力なり、これが一番重要で、ちょっと続けても形にならないことってほとんどだと思うんですけど、でも、続けていくと私も形になってきているので、本当に継続は力なりだと思います。途中でやめてしまうと、そこまでの情熱だったんだとなっちゃうので、何事もゴールが決まっていれば続けていって欲しいと思います。



自分の気持ちを優先する


ここからはみなさんからいただいた質問にお答えしたいと思います。キャリア系の質問と写真系の質問が多かったのですが、まず、キャリア系の質問の方からお答えいただきます。


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質問:周りの人から就職した方がいいと言われたことはありますか?自分の生き方に不安を感じたことはありますか?


石井:どちらもないです(笑)。お母さんからはあまり就職しなさいとかは言われなくて、自分でむっちゃアルバイト入ってお金稼いでたから、自分でやることはやるしってスタンスだったので怒られなかったです。不安より希望の方があって、大丈夫かなと考えるよりも、こうなりたいなっていうゴールしか見てなかったので。どうしても、不安は形になっちゃうので不安はやめた方がいいです。自分の気持ちがいい方向だけ見つめて、嫌だなって思ったら、それはやめた方がいい。手放していった方がいいですね。


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質問:素敵な写真を撮るときの自分の心の状態はどんな感じ?直感や感性を磨くために普段やっている習慣があれば教えてください。


石井:色んな映画を見たり、写真集を見て構図を磨いたりとか。でも、こうやって言われたから見ようじゃなくて、自分で見たいと思って見ないとダメだと思う。あくまで自分の気持ち優先で。


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質問:フリーで活動していく際に企業との報酬交渉はどうしていますか?フリーで活動する上でのアドバイスをください。


石井:私は、身近な人がどうやってるかを聞いてそれを参考にするって感じだったんですけど、自分がやってることに自信があったら高くつけてもいいと思います。これだけしかもらえないなら、これだけの仕事しかしないって思うなら、自分で上げて、それに見合うものに仕事した方がいいと思う。だから、相場とか調べて見て、一般的な金額で納得するならそのまま提示して、納得できないなら上乗せするけど、それなりの仕事をしますよって自信があったらいいと思います。


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質問:投稿までにどの程度加工しますか?


石井:投稿までは2時間とかかかってるかもしれない。加工は5分くらいですけど、文章とか色味調整とかに時間かかっちゃう感じです。使ってるアプリはVSCOという、ほとんどのインスタグラマーが使っているアプリです。あと、Camera+(カメラプラス)というアプリで細かい調整をして、最後にインスタで加工して3段階くらいで加工するイメージですね。


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質問:食事の写真を撮るときに気をつけていることはありますか?お店によっては嫌がるところもあると思うのですが。


石井:今、インスタ映えとかで、カフェとかに1ドリンクで女の子2人とかで写真だけ撮りに来るのが増えてるっぽくて、なので、カフェとかは嫌がるところもありますよね。でも、マナーをきちんとしていれば平気かな。海外に行くと、隣の人が写真撮ってても誰も気にしないので、私は日本でもやっちゃうんですが。せめて、お店の人の気持ちを考えて、ちゃんとメニューは頼んで、さっと写真撮ったりすればいいんじゃないかな。あとは、食べ物が来る前から、あらかじめこうやって撮ろうとか考えます。来てからどうしようって考えてると料理も冷めちゃうので。


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質問:フォトジェニックな場所の探し方は?


石井:今は、フォトジェニックに写真を撮ってる人のインスタアカウントを見たりして、その人が行ってるお店の位置情報飛ばして、おしゃれだなと思ったら行こうって保存したり。ハッシュタグは東京、カフェ、とかで調べて目に止まったところに行ったりします。


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質問:作り込み過ぎてしまわずにうまく取れるコツは?


石井:私は引き算が大事だと思っていて、1回並べて見て、どんどん引いて行ってます。シンプルで1枚で伝わるように。


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質問:どうやってテーマを明確化していますか?


石井:私はもともと旅が好きだったので、旅に関わるホテル、ご飯、旅先で着る洋服とか、私の場合は大きな類は旅なんですけど、大本の部分を決めてそれにつなげていくような感じでいいと思います。自分がカフェ好きだったら、カフェのことあげますとか。



大切なのは、その場を感じて写真を撮ること


写真の撮り方について、私なりに簡単にまとめて見ました。


1:ライティングが鍵

室内より外での自然光を使った撮影がベスト。晴天の午前から日中にかけて撮影するのがいいと思います。室内で撮影するときも、なるべく窓際を使ったり自然光が入ってくるのを大事にしています。なので、カフェとかも窓際を狙って行ったりして、室内の光よりも太陽の光を使って撮影してます


2:全体を感じられる写真に

私がよくやっている構図は真上から撮影するものや遠目に撮影するものです。例えば、建物の写真を遠目から撮影すると街全体の雰囲気を伝えることができて、写真1枚のインパクトがより強くなると思います。見た人が1枚でストーリーを感じてもらえるような、もし自分がここに行ったらなと置き換えてもらいたいので、それができる写真作りにしています。


3:基本の撮影は一眼レフやミラーレスで、写真をスマホに送って加工します。


4:普段の持ち物を小道具化

普段の持ち物を小道具として写真に混ぜ込ませることで絵が華やかになります。例えば、コーヒーだけ撮ろうと思ってもさみしいので、自分の持っているスマホとか手帳を置くことで生活感とか人間味が出ます。色味を統一したり、ごちゃごちゃになり過ぎないように自分を空間プロデューサーだと思って小物を配置してみよう。


5:その場を感じる

最後はやっぱり、その場を感じるのが一番大事だと思っていて、写真を撮ることに夢中になってしまうと旅先の思い出がフィルター越しでしか残っていないのがすごい寂しいってことに気づきました。だから、その場の空気感や雰囲気を感じてからシャッターを押すのがいいと思います。


今いる1秒は2度とやってこない時間です。目で見て感じて肌で吸収して、そんな風に取る写真はいつも美しいと思っております。

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