*開催レポート* 5/28 やりたいことを「事業」にする秘訣を先輩女性起業家に学ぶ!女性が起業する時に知っておくべき大切なこと<前編>

今回の授業は、「妊産婦さんが安心して新しい命を迎えることの出来る社会をつくる」をコンセプトに、産前産後ケアの会社anzucco を起業したガスケール杏子さんを教授にお迎えして『女性が起業する際に知っておくべき大切なこと』をテーマにお話しいただきました。
後編はこちら

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自分が子供を生む時に欲しいサービスを自分で作る

ガスケール杏子です。本日はよろしくお願いいたします。まず簡単に私の自己紹介をさせていただきます。
主人の関係で名前が変わってしまったんですけれども、大学院のビジネススクールでフランスにいきました。その後日本に帰ってきて、外資系の投資銀行のモルガン・スタンレー証券に就職しました。そしてゴールドマンサックスという会社に移って金融業界で7年間働いておりました。個人的なバックグラウンドとしては財務とかビジネスモデルに対する知識はあったのですが、今日お話しする中で、それがなくても起業はできますということをお伝えしたいと思います。プライベートでは2歳2ヶ月になる娘がいまして、育児の間に仕事をしているのか、仕事の合間に育児をしているのかわからない状況ですが、毎日充実しているなと思っております。

では、私が今の会社をどうやって立ち上げたかをお話しします。今、産前産後ケアのanzuccoという会社を経営しております。どういう会社かと申しますと、主に助産師の派遣、ヨガインストラクターやピラティスインストラクターの派遣を行っております。基本的に対象は女性、特に産後の女性がほとんどのお客様になっております。なぜこのビジネスをやったかというところで、自分自身が子持ちなので、出産の経験でそのようなサービス考えたんですねってよく言われるのですが、いま5期目なので、私がこの会社を立ち上げたときには結婚すらしていませんでした。なので、どちらかというと自分の経験から起業したというよりもビジネスモデルありきで起業したんです。
きっかけは、ゴールドマンサックス時代にグローバルに同僚が多かったもので、その子たちとプライベートな話をしていると、大体27、8歳の頃になってくると奥さんが妊娠したから助産師予約しなきゃとかアジアの子だと産後院を予約しなきゃとか色々話を聞くんですけど、私の理解が低いのかなと思うぐらい何を話しているのか全くわからなくて、調べてみるとやっぱり海外には産後のサービスが山ほどあって、日本にはないサービスや概念だったのでいくら聞いてもわからなかったんですね。

そんなサービスあるんだなと思ってたんですが、日々のビジネスに悩殺されてそれも忘れ去っていました。私が29歳の時に結婚もしていなかったんですが、このまま働いてると結婚・出産なんかできないし、復職なんてもってのほかだなと思うようになりました。外資系の投資銀行の中では残念ながら出産を機に辞めてしまった方とか育休を取って戻ってこなかったりとか多かったんですね。それで、私もその未来像にそのまま当てはまるなと思いまして、これを打開するために、やっぱり産後のサービスっていうのは不可欠だと再認識したのを強く覚えています。それがだんだん怒りに変わってきて、なんで日本にはこのサービスがないんだろうというところで、自分が子供を生む時に欲しいサービスは自分で作るぞという意気込みで、起業を決意しました。
ただ私は慎重派なので、すぐ起業したわけではなく、証券アナリストをやっていた性格上色々調べ物をしてしまって、これだけ世界で成功しているビジネスモデルが日本でないのは何か理由があるんだろうということで、働きながら、起業を前提に業界調査をしておりました。それと共に自分が今やりたいビジネスモデルでお金が本当に回るのかどうかモデルの作成をいたしまして、大体この期間が6ヶ月くらいですかね。朝の6時から夜中の0時までとか働いていたので、なかなか自分で調べる時間が取れなくて、他の方よりも大分時間を取ってしまったかなと思うのですが、ビジネスモデルを作成し、会社を退職しました。

退職とともに起業される方が多いと思うんですけれども、私の場合は、金融から産前産後ケアという全く違う世界に入るところだったので、そこでいきなり起業しても出鼻挫かれるのは見えていて、あえてすぐには起業せずに起業準備という期間を設けて、その期間に資格を取得いたしました。
その資格がヨガインストラクターとチャイルドボディーセラピストという資格に絞って取ったわけですが、この理由はもともとビジネスモデルを作成した際に、助産師だったりヨガインストラクターの派遣をすると決めておりまして、ただ問題が多すぎて採用ができないと思ったんですね。例えば、食品業界の採用をする時にいきなり医薬業界の人が採用とかしないですよね。その業界に通じていて、何が良いのか何が悪いのかわからないと人材を採用できないと思ったので、このような資格を取りました。チャイルドボディーセラピストという資格は、私自身が出産も妊娠経験もなかったので、お客様がどういうことを考えるのかというジェネラルな視点を得るためにこの資格を取りました。

この資格を取りながら、都内に産後ケアセンターというのがありまして、そちらの門をいきなり叩いてこのビジネスモデルでやりたいと思うので無償で良いので勉強させてくださいという交渉をして、6ヶ月間そちらで働かせていただきました。ここは退院された方が1週間くらい滞在される施設で、助産師が24時間滞在してケアしてくれるんですが、私自身ここで始めて新生児を触りましたし、そのお母様の体の状態とかメンタルの状態とかっていうのを学びました。
それ以上に一番よかったのは、ここで働いている助産師の声を生で聞けたことです。これから雇っていく人間なので、彼女たちがどんな生活をしていて、どういう金銭感覚を持っていて、どんなところに不満ややりがいを持っているのかっていうのを知るのが人を採用する上でとても重要なことだと思います。そういう意味ではこの6ヶ月間で人脈を築き、採用する人間の中身を知れたということは良かったなと思います。
サービスや起業するのを決めてから、本当に起業するまではざっくり1年くらいですね。その真ん中くらいで退職しましたというのが、私の起業ストーリーになります。
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女性にありがちな起業の落とし穴とは

では、周りにいる女性起業家からよく相談をいただくので、その中から女性にありがちな起業の落とし穴を3つご紹介させていただきます。

①資格コレクター。周りに1、2人はいらっしゃると思うんですけれども、例えばフラワーアーティストをやり始めたら、周りにたくさんいるからアロマをやり始めて、いつの間にかキャンドルもやっててみたいな資格コレクターになっている方。これはビジネスモデルとして成功しません。
理由は2つあるんですけれども、そもそもそういった資格って受講料もお金がかかるし受験料もかかるし、協会によっては登録料もかかります。こういったものは全て原価です。しっかり認識していただかないと、例えば10万、20万かけて取った資格が1人3000円しか課金できないセミナーだったら、元を取るのに何年かかってしまいますか。もう一つが、民間資格がないとビジネスが始められないビジネスというのはそもそも自分のナレッジだったり、自分の何かを売っているものではないので差別化が非常に難しいです。なので、同じ資格を持っている人は全く同じ事業ができてしまうので、ここで差別化をしようとすると他の資格もというような負の連鎖に陥ってしまいます。そもそも起業しようとした時に何かの資格に頼ろうとするのはやめた方が良いです。

②いつまでも起業準備中。これも女性特有で、完璧主義で真面目な方が多いので、これが足りないあれが足りないと何でもかんでも自分でやろうとしちゃうんですね。例えば、良いビジネスモデルができているんですが、いざとなると会計の知識がないから簿記を取ると言ってすごく勉強したり。でもそれは必要ないです。簿記を取ったからといって決算ができる訳でもないし、キャッシュフローステイトメントが書ける訳でもありません。なので、そういう完璧主義は捨てていただいて、自分にもしビジネスアイディアがあって、財務の知識がないんだったら、財務に強い人を雇ってください。その授業料も無駄ですし、1年間ビジネスを立ち上げないことによる機会損失もありますし、1年後そのビジネスモデルはもう他にされているかもしれません。
なので、ビジネスは途中でスタートするβ版でスタートすることをぜひお勧めします。最近は特に経済界の中ではデフォルトでβ版っていうシステムで出したりしていますよね。これは70%くらい完成したところで、とりあえず使ってもらってフィードバックを得ながら完成させていく。なので、自分でスタートを切らない限り延々と起業準備中なので、そこだけは自分でえいっと起業して、お尻に火をつけていただきたいなと思います。

③最終利益の概念がない。これは友人含め、個人の子にはすごく言っているんですが、私は特に金融出身なので、最終利益が全てだという考え方をしています。裏を返せば、売り上げをあんまり考えないで下さいということですね。どうしても目先の売り上げを考えがちになるのですが、ぜひ自分の稼働時間も時給として考えて、その時給を引いても利益になるかっていうのを考えていただきたいと思います。じゃあ自分の時給っていくらになるのって思うと思うんですけれども、一番わかりやすいのは働いているお給料を時給に換算していただくと良いかと思います。あまりそういう考え方をすることないと思うんですけれども、ゴールドマンサックスで働いていた時に18時間働いてどれだけペイしているのかなというので1ヶ月の稼働時間と時給を出してみて、驚愕したことがあるんですけれども、一つの目安として考えてみると良いかもしれません。そういう考え方を常に持っていると小さいことに手を出さなくなるので、本業にしっかりと集中できます。それがやはり起業を成功させるという意味ですごく重要なんじゃないかと思います。