*開催レポート*9/2 芸能人や有名ブランドを多く撮影してきた、 瞳の奥の最も美しい部分を引き出す写真家Jo Moriyamaが撮影する 私の中の「本当の私」と出逢うフォトシューティング

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今回は、CHANEL,Dior,PRADA,GUCCIなどの誰もが知る有名ブランドや、名だたる芸能人・有名人などを撮影した経験を持つ、フォトグラファーのJo Moriyama氏を講師にお迎えし、授業を開催しました。

Inspiration Talkでは、その人の“らしさ”を引き出す写真を撮るために大切にしていることや、参加者の皆さまから頂いた写真を撮られるときのお悩みにも答えて頂きました。
 
 

Inspiration Talk「自分の中の最高の表情を引き出すために」

 
今日は来てくださいまして、ありがとうございます。Joです。
 
まず、人の表情には、自分に自信がある人の表情とか、自分に自信がない人の表情とかあるじゃないですか。それって、小さい頃の経験や生まれてからの環境によって表情が作られていくんですね。例えば、見映えがいいと言われてる人は褒められているケースが多いので、見映えがいいと言われていない人とは違ってきそうじゃないですか?なんでこういうこと言うかっていうと、『自信を持つ』というもっと根本的なところなので、外見は関係がないんだ。褒められても自信が持てない人も大勢いるのです。僕の場合は、小さい頃は自分の存在が全部ダメっていうことで育ってるんで、じゃあ、自分はどうすれば肯定的に生きていけるのかなって模索していったんですね。
 
僕の作品を紹介しながらお話ししたいと思います。
写真を撮っていく中で最も大切にしていることが、誰に会っても好感が持てること。例えば、子どもが好きで子供を撮ることが多いんですけど、子どもって純粋じゃないですか。子どもって引き出すのは簡単なんですよね。大人は肩書きによって表情変えがち。社長さんが来ましたってなったら急に対応が変わったり。子どもはそんなことなくて、芸能人が抱っこしたからって笑うってことはないし、むしろ、わーって泣いちゃったり。
それと一緒で、自分がぶれずに人によって態度が変わらない。余計なフィルターがないっていうのは写真を撮るうえでの1つの大きなポイントですよね。
で、引き出すってどういうことかっていうと、自分がいつでも人を受入れる体勢ができてるっていうこと。どんな人が来てもとりあえず受入れる体勢ができてて、自分も受け入れて他の人も受入れる体勢を作るってことだと思うんです。自分が気にしてる顔のパーツとかも受け入れて。
 
 

表情は内から作っていくもの

 
みなさんそれぞれで自分の外見に関してもっとこうなればいいなって部分があるじゃないですか。もっと目が大きくとか鼻が高くとか。これは僕がモデルか一般の人かを問わず人を撮ってきた時に気になることなんですけど、目にコンプレックスがある人は目を大きく見せようと思って目を見開く傾向があるんですね。実際にモデルさんを撮るたびに言うことがあるんですけど、「目に力が入り過ぎちゃう」って。目が大きいといいって言われるんですけど、表情の中で笑うと目が小さくなるっていうのは自然のことなんです。気にし過ぎなんですよね。どう見えるか。
子どもが自分の顔見てコンプレックスがあるかって言ったらそんなこと考えてないし、TPOに合わせて表情を変えることもないですよね。しかも、こういう風に笑おうと思って作ってる笑顔じゃない。内から自分を前面に出す。自分の持ってる物を出し切っちゃう。なので、表情は内から作っていくものです。
 
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でも、じゃあ、大きな笑顔の表情が正解かっていったらそれも違うんです。人によって表情が多い人、少ない人っているので、それは自分の性質を重んじた方がいいです。自分があまり表情を出さない人間なのに、無理に表情を作る必要はないんです。社会一般的にいいと言われる人物像に自分を寄せようとするからおかしくなっちゃう。
なぜなら、子どもがいい例なんですけど、フィルターなしで、背伸びなしで生きているっていうのは、一番理に適って自然な行為だと思うんですね。でも、大人になると、外的要因で社会に適応するために、私は、ここがダメだからとか考えるようになって、本来自分が持ってる本当の美しさをどんどん削ぎ落としていっちゃってるんですよね。子どもの間はそれを持ってるのに。
 
 

人間の本質である無邪気で純粋な表情を出したい

 
質問:苦笑いをしているとよく言われるのですが、どうしたらいいですか?
 
Jo:多分、苦笑いする人っていうのは笑わなきゃいけない状況に置かれてるからだと思うんですけど、無理にいい印象を与えようって笑顔を出す必要はないと思うんです。それはご自分の本質とは違うことをしているから苦笑いになっちゃうってことだと思う。
ひとつだけ、口角を上げるというのはポジティブな印象を与えるって意味でそれだけは保っていた方が、いい印象を与える。ちょっと口角上げるだけだったら誰でもできるので。あと、芸能人を撮る場合でも同じなんですけど、笑ってるつもりなんだけど、そんなに口角上がってない時があります。これは筋力の問題で、顎の筋肉って意識しないと鍛えられないので、口角上げたときにどちらかが上がって、どちらかが上がってないことがあります。それは顔のゆがみなので意識して直していくしかないですよね。
 
猪熊:写真撮ってる時のJoさんすごく楽しそうじゃないですか。
自分にとって、本当に楽しい瞬間を知ってるかどうかも大切ですよね。社会人になると、周りの環境や状況に合わせて、ムスッとした表情でいられないこともよくありますよね。でも、苦笑いをついしてしまうとか、表情をつくってしまうという方には、実は心が優しい方が多いですよね。
 
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質問:Joさんが写真を撮るときに、これがこの人の本質なんだって分かる瞬間はどんな感じですか?
 
Jo:僕は結構すぐわかるんですけど、目を見ると分かります。目は心の鏡だと思っているので、目を見ると、この人はこういう考え方をするであろうというのも、得手不得手とかもおぼろげにでも見えてきます。笑ってなくても目でどういう気持ちでいるかって分かっちゃう。だから、人は目を見て話す。真意が分かるから。芸能人を撮る時だと、会って初めましてから5分で撮り終えなければいけない仕事もあって、会って5分以内でその人の本質を引き出して、人間対人間で分かち合える時間を作らないと表情を引き出せない。特に目元を見れば信頼関係を気づけてるかってよくわかるかなと思います。
それと、自分が壁を作ってないっていうのがポイントだと思います。あと、人に何を言われても絶対自分はこうなんだって軸が一本、人間としてこうなんだっていう軸が一本あれば、人からいろいろ言われても結構跳ね返せると思うので。
 
猪熊:目で本質を見る力って撮影をこなす中で分かってきたのか、もともとそういうことを分かることができたんですか?
 
Jo:もともとは、相手のことはあんまりわからないと思ってた。でも、カメラ持つと、自分を出し切れる場なので、本当にめちゃくちゃなこと言うし、言われても気にしない。来る物拒まずというかどんな人が来ても絶対に受け止めるっていう自信と覚悟ですかね。
 
猪熊:撮りづらい例とかはありますか?心開いてもらえないとか?
  
Jo:何パターンかあるんですけど、どうしても今日は気分が乗らないとか。本業じゃない人を気分が乗らないのに撮るっていうのは至難の業ですね。あとは、「自分の見せ方は私が一番知ってるの」っていうような人は難しい。僕が何を言っても何も聞こえていないかのような。僕は今までその人が出さなかったような、人間の本質である無邪気で純粋な表情を出したいので。
 
 

カメラ前でリラックスするコツは、背伸びせずに自然体でいること

 
質問:カメラを向けられたときに、そもそも、どう自分を出せばいいかわからない人にアドバイスとかありますか?

Jo:そういう人にはどういう生き方してるのかとかを聞いてみたりしますね。
あとは、コンプレックスがまとわりついているから自分を出せないんだとも思うんですけど、よく思わせようと思ってる時点で、それは本来の自分ではないので。
 
 
質問:らしい表情が分からない場合はどうすればいいですか?
 
Jo:僕も人から「らしいね」って言われる表情あるんですけど、自分ではあまりピンとこない。これは人から見た自分だからっていうのがあるので、「あ、そうなんだ」くらいにしか思ってなくて。あとは、表情って考えてできるもんじゃないから、口角だけは気にしてますけど(笑)。
 
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質問:人からの意見に流されやすいんですけど、自分の芯を持つって難しいなと思うんですが、どうすればいいですか?
 
Jo:そんな難しいつもりで言ったわけじゃなくて、僕なんかはコンプレックスの塊で育ってきてるんですね。昔、世界中を旅して回ったんです。で、そのときに自分のコンプレックスを考えたときにあまりにも些細なこと過ぎて、コンプレックスは置いといて、世界のどこにいて誰といても絶対ぶれないのは何かって考えたら、人間であること。で、その絶対ぶれない確実なところだけ抑えていれば、芯はぶれないかな。
 
猪熊:しなやかに自分らしく生きようとする時に、自分の軸の周りは流動的で流されてもよくて、でも、自分の軸はしっかり持っておくということが大切だと思うんですよね。
自分の軸とは何かというと、『人生で絶対大切にしたいこと』とか、『絶対譲れないこと』とか、『絶対嫌なこと』とか。このあたりのことだけは自覚しておけば、それ以外は流されていいと思うんですね。
 
例えば、“人を絶対に傷つけたくない”という譲れない軸を持っているんだとしたら、人の意見に流されているときに、人を傷つける方向に流れていきそうだったらそうならないように流れを戻していくということをしていかないと、ずっと流されちゃうかもしれませんよね。そうやって、軸を大切にしながらも、流れを受け入れていく部分があってもいいんじゃないかと。
 
 
質問:カメラの前でリラックスできるコツは?
 
Jo:もしできなかったら僕の責任ですって思っちゃうんですけど(笑)。僕、被写体の練習もしてるんです。こうやって言われたらどうなのかなとか。やっぱり背伸びしようとかって気持ちが出てくると引きつっちゃうのかなと思います。だから、本当に自然体でいれば楽になるんじゃないですかね。