*開催レポート* 8/26 「コンプレックスを魅力に変えて、望むキャリアを手に入れる方法 」<書き起こし>

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今回は、MANABICIA 代表として女性のキャリアと自信形成を支援し、女性が働きやすい組織と社会を創る活動をしている池原真佐子さんを講師にお迎えして、「コンプレックスを魅力に変えて、望むキャリアを手に入れる方法」をテーマに授業を開催しました。

池原さんの著書「魅力の正体」にインスピレーションを受けながら、コンプレックスを魅力に変える方法、今の時代を生きる女性に必要なFQ(魅力指数)の高め方、望むキャリアと自信を持つ方法についてお話しいただきました。

インスピレーショントーク「自信と望むキャリアを手に入れる 魅力の正体」

池原と申します。宜しくお願いします。
今日のタイトルは「コンプレックスを魅力に変えて望むキャリアを手に入れる方法」です。
 
まず、私のプロフィールをご説明したいと思います。私は福岡県出身です。もともと、両親が教員だったので、人の成長を支えて可能性を広げる教育っていい仕事だなと常々思っていました。いろいろ調べていくうちに生涯教育は新しい分野じゃないかなと思い、19歳のときに生涯教育の専修で早稲田大学に入りました。で、そのまま勉強していくうちに楽しくなって早稲田の大学院を卒業しました。卒業前にNPOとかNGOとか色々な団体でインターンをしていて、ひとつ気づいたことは、どれだけいい活動をしていても、人への伝え方がうまくない団体ってすごい多いなって思ったんですね。「私たち良いことしてるし、みんなわかってくれて当然」と。でも、それでは全然魅力が伝わってないんですよ。そういうときに、PRって仕事があって、広報とは、人に魅力的なことを伝える仕事だよって教えてもらい、新卒でPR会社に就職しました。
 
PR会社では様々なクライアントのサービス、商品、人のPRをするお仕事をしました。そこで、主に女性向けの化粧品とかアート、ファッションイベント、イギリスのNGOのPRなど。そこで働くうちに教育の現場をもう一回見てみたいなと思い、国際教育のNPOに転職をします。ここでは、国内外の様々な教育機関のワークショップをして、子どもたちの国際交流とか、先生のスキルアップのツールを提供したりしていました。でも、NPOって予算が限られているので、職場で職員がスキルアップする機会ってほとんどなかったんですね。研修に行きたいって言ってもお金がない。なので、そういうことを専門にしている仕事をしようと決意をしてコンサルティング会社の人材開発部でコンサルタントの育成を4年ほど行います。その後、結婚をして、在職中にINSEADというMBAのビジネススクールから派生したコーチングの修士課程に入学します。これがシンガポールとフランスにある学校なんですけれども、私はシンガポールを選び、日本とシンガポールだったら通えるかなということで、コンサルティング会社で働きながら、1−2ヶ月に1回渡航し、2年かけて卒業しました。
 

女性特有の悩みに寄り添えるようになりたい

 

INSEADに行ってる途中で、現在の会社のMANABICIAというものを設立して、今に至ります。設立してしばらくして妊娠したんですけど、夫が単身赴任でいなくなってしまったんです。それで、自分のキャリアをどうするの?夫のやりがいはどうするの?と話し合った結果、今は私が日本に残り1人で子育てをしています。
 
今、MANABICIAは4年目に入ります。主な軸は2つあります。1つはエグゼクティブのコーチング。日本ではまだ一般的ではなくて外資系のお客様が多いんですが、経営者や役員、リーダーになる候補の女性、そういう人のマインドセットをブレないように整えるということをやっています。リーダーがぐらついてしまうと、組織ってすごいぐらついてしまうんですよね。ですので、そのようなリーダーの方と寄り添いながらぶれない経営判断ができるようなコーチングのお手伝いをしています。あとは、部全体とか30代の女性全体とか、そういうところでファシリテーションして対話を促したりという仕事もしています。
もう1つの軸は女性とキャリア。これは私がキャリアについて迷ってきたことと、教育っていう軸、そして自分自身が女性であるということ、出産、結婚、子育てをどうするかという女性特有の悩みがすごく多かったので、そのようなところに寄り添えるようになりたいということで、女性とキャリアを軸にしています。
 

コンプレックスは焦りを生む

 

私自身の話しに戻しますと、本当にコンプレックスが多くあります。常に人と比べて、足りないところを数え、足りないところに気づいてしまう。その原因を自分で洗い出してみました。まず、ひとつは養育環境。両親が教師っていうのもあって、すごく厳しかったんですね。なので、18歳までは親のレールに乗る。私は小中高と一貫の学校にいったので、まず受験という選択肢を与えられなかった。親の引いたレールに12年間乗っていました。また、長女的な責任感を一人で抱え込んで、本当に何も反抗しない良い子として12年間過ごしてました。自分の意見を言うってことがすごく怖かったんですね。私、これやりたいって親に言うのも怖かった。そういう意味では、自分がやりたいことが見つけられない子だったなと。
2つ目は、学校が凄く厳しくて校則も細かく決まっていたことです。とにかく人と違うということがあまり許されない。特に、私は入学して1年生のときに見た目が外人に見えるということで急にいじめられはじめ。容姿のことはどうしようもないなかで異質性がいじめにつながったっていうのは、すごく私の中で大きなものでした。そういうこともあって、とにかく自分のことを話すのが恥ずかしくて、話したらいけないんだと思い込んでいました。で、私は表に出る人間ではなくて裏でこっそりやっているのが似合うんだ、私の人生は裏方だということを小学校の頃から悟っていました。
  
一方で、人の性格って養育環境と性質の二つで決まると思うんですけど、もともとの性質がすごく悔しがり屋さんなんですね。でも、これもいい面があって、それがエネルギーになって、人以上に努力をするし、人以上に突破力がある。
  
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そのようななかで、転機が訪れました。まず、結婚への焦り。28歳くらいのとき一番焦っていたんです。就職をしてみんなが結婚したり出産したりしていくなかで、私は何もないなって。そこから、焦って、合わないなと思う人と結婚しようとしたことがありました。結局お別れしてしまったのですが、この経験が良い意味での挫折でした。この挫折経験があって学んだことが凄く大きかった。学んだことは、コンプレックスって焦りを生むということ。人生の中でいくつかコンプレックスがあると思うんですけど、時期とか体調とか仕事の状況とかによってフィーチャーされるコンプレックスって違うと思うんですよ。それが何かひとつにフィーチャーされはじめたときに、人はすごく焦り、そこを埋めようとしてしまう。埋めることは悪いことではないんですけど、埋めることが焦りになって、よく考えないままに身近なもので埋めようとすると結局うまくいかないんだと学びました。焦りは、百害あって一利無し。
  
学んだことの2つ目は、どんな恋愛であっても相手を責めないということ。恋愛は、自分が持っていないものを持ってる人を好きになったり、そういう意味では、コンプレックスの合わせ鏡だったりするんですよね。なので、そこを責めてしまうと自分自身を責めていることになるなと気がつきました。最終的に、その相手とはお別れしましたが、その経験がすごく自信になったんです。泣いたり、悔しがったりしたんですけど、その後に達成感がある。自分の人生を選んだなって初めて思ったんです。なので、ネガティブに捉えがちなものでも、それをしてはじめて掴むものがあるんだなってことを学びました。
  
学んだことの3つ目は、お別れした後に、多くの友人たちが励まし助けてくれたということ。そこで思ったのが、勇気を出して自分の道を貫いたときって、どんなにネガティブなものであっても助けてくれるんだなって思いました。私は今まで400人くらいの女性のキャリアに関するコーチングをやってきたんですけど、みんな、やりたいことがあっても失敗したらどうしよう、失敗したら食べれなくなるかもしれない、挑戦して上手くいかなかったら死んでしまうかもしれないみたいなことを考えている人が多いんですけれども、そんなことは絶対にないと私は断言しています。何か踏み出して失ったとしても、新しい何かが助けてくれるんですね。それは抽象的なことではなく、物理的に仕事がないどうしようって誰かに言えたら、「じゃあ、こういうのやってみない?」って話しが必ず来ます。
 

社会的なプレッシャーが女性を苦しめる

 

では、私がコンプレックスが自信になっていった転機をお話ししたいと思います。それはINSEADに入学したことです。私はあんまり英語が得意ではないので、うまく話せないことが多かったんです。入学してすぐ周りからも「この子、英語苦手」みたいなオーラを感じていて、すごくプレッシャーだったんですよね。なので、最初の数回の授業ではほとんど発言できなくて、途中からなんで私はこんなところに来てしまったんだと、もう辞めようかなとか、みな呆れているのではないかなとかっていう思いがすごくありました。でも、途中で気づいたのは、下手な英語でも自分の意見を主張したときに一気に周りの目が変わったんです。「あ、真佐子いい意見持ってるね」って。そうしたら、英語がしゃべれないというコンプレックスを実は私の中に一番持っていたんだな、誰も私の英語力なんて気にしてなかったなって気づきました。自分の中でコンプレックスを捨てること、それを乗り超えて主張してみると周りの人が助けてくれるなということを感じました。
 
そして、もうひとつ。妊娠、出産、ワンオペ育児。会社を立ち上げてようやく軌道に乗りはじめた時に、子どもどうしようかなと考えたんですね。育児をしている自分が想像できなくて、だから30歳過ぎまではとにかく好きなことをしようと思ってたんですけど、いざ何となくのタイムリミットを突きつけられたときに、このままでいいんだろうかと迷いがありました。で、この迷いは何から来るのかなって考えたんですね。そのうちのひとつに、社会的なプレッシャーっていうのが日本人の女性を苦しめてるんじゃないかなと思いました。よい母親ってこういうことだとか、子どもは居た方がいいとか、無言の社会のプレッシャーが女性を苦しめているし、私自身も苦しかったんです。特に会社を立ち上げて30歳過ぎていると、年配の方には「早く子ども作りなよ」とかよく言われたんです。何でこんなこと言われるんだろうとか思いながら、そこを気にしてる自分もいたり。子どももいて、キラキラ働いている女性経営者とかワーキングマザーがまぶしく見えて、そこも私のコンプレックスを刺激して、すごくすごく迷いました。でも、どこかで振り切れて際に妊娠し、会社も粛々とやってました。そうするうちに、私が臨月のときから夫が海外に転勤になることに。それは彼がずっと望んで作ってきたチャンス。自分のキャリアも大事にしたい。同時に、パートナーのキャリアも尊重したい。その結果、一旦私が日本に残って育児をしながらやりたいことをやりつくしましょうということになりました。
 

コンプレックスを自信に変えるために必要なこととは

 

今も学びの途中ではあるんですが、このような経験から私が学んだことは、完璧主義にはなれないなということです。私は、人に弱みを見せることは恥ずかしいという思い込みがいまだにあるんですが、それでも、完璧なママでいよう、完璧な働く女性でいようってことは諦めたんです。その瞬間にすごく楽になりました。
出産することをお客様や仕事関係者に伝えると、信頼されないんじゃないかなと思っていました。そんなときにある方に、「このままだと立ち行かなくなるし、あなたのことをむしろ信用できなくなると思うよ。なぜ、自分がこういうことで困っていて、これからこういうことで困るってことを人に言わないのか」っといわれたんですね。
そこで、「実は臨月で夫がいなくなります。ですから、必要な時はどうぞ助けてください」と伝えていくようにしました。そうすると、多くの方から励ましや支援をいただいたのです。ここでもなお「誰も私のことをは助けてくれないのではないか」という思い込みがあったのですね。それは小学校のときにいじめにあっても、大人は気づかないし助けられなかったという経験が影響していたのかもしれません。これほど大きな転機があっても、私の思い込やコンプレックスが私を苦しめていたんです。でも、それを終わりにしようと。自分以外に命を守らなければいけないので、ここで私が倒れるとみんな共倒れになるので、ようやく「私の弱みはこれです」っていうことがそこからは素直に言えるようになったと思います。
あと、女性に多いのは、人に頼るのが苦手だということです。お願いをするというのが甘えという風に受け止められてしまうし、自分もそう思ってしまう。しかし、頼る、お願いは自分の自信にもつながります。自分の足りないところを他の人とコラボできるっていうチャンスでもあります。そのうえで、休む。人にお願いしたら自分も動き回ってなくちゃいけないかなとか思うんですけど、体を休めるとか自分を労ることを人に力を借りてやる。でも、そこに罪悪感持たない。
 
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このような大きな転機のなかで、私は人と違う、人より劣っている、誰も応援してくれないという思い込みと私の中で抱えてたコンプレックスが、人とコラボできるようになったり私らしい魅力に変わったなと感じました。
ですので、コンプレックスが魅力に変わる時は、「弱みを人に伝えた時」です。人からコンプレックスを聞いたとき、その人のことを嫌いになりましたか?そんなことないと思うんです。逆に、こんなに素敵な人なのにこんなことで悩んでたんだって知ったら、そんなことないよって、こういういいところあるよって言ってあげたくなりますよね。そういう意味で、人にコンプレックスを素直に伝えたときに、それは相手から見て魅力になるなと確信してます。そのうえで人に頼ってみる。そして、未来に希望を見出す。今はコンプレックスで辛くても、これは続かないかな、未来はきっと違う楽しいことが待ってるという前向きなこころは、他者から見て、魅力的です。
 
 
そしてまた他にも、コンプレックスを自信に変えるための具体的な方法があります。1つ目は、「私はこう思うんだという」自分なりの哲学を持つことです。もうひとつは理論的なバックグラウンドを持つこと。たとえば、私であればコーチングを勉強した理論と、私なりのコーチングってこういうものだよねって私自身の経験からくるものと、その2つを持つとすごく自信になる。こういう場でも、色んな人の理論が聞けるじゃないですか。色んな人の理論を取り入れて、自分の理論と照らし合わせて取り入れていけばいいからです。
2つ目は、何かチャンスがあったときに「はい」というスピードをあげること。直感でないなと思うものがあれば即座にNoと言う。これを最初は苦手でも意識的に繰り返していくと、すごく自信に繋がっていきます。あと、一回Yesと言ったもので途中で違うなと思ったらそこを潔くNoと言ってみる。投げ出すという意味ではなく、自分なりに説明をして相手にNoと言う。このサイクルをどんどん上げていくと、自分なりの自信が高まっていきます。
3つ目は、みんながやってるからって理由で、何かを選ばないということ。みんながやってても自分にとってそれが合うかどうか、自分がそれを好きかどうかっていうことで判断の軸を持つ。
4つ目は、人の意見を受け取り過ぎないということ。コンプレックスがあったり自信がないと人の評価ってすごく気になるんですね。自分の人生とか意思決定に重要な人であれば、その意見を受け止めた上で真正面から取り組めばいいですが、今ここでは重要ではないと思う他人の意見は気にしないこと。
最後は、安全基地を持つということ。なにか一歩踏み出せる時っていうのは、やっぱり安心、安全な場が必要になってくるんですね。なので、1人でもいいので全肯定してくれる人を大事にする。人間関係の中で、そういう人がいないというのであれば、本とかでもいいんですね、心の拠り所を1つ確保しておく。そうすると、何があっても自分はここに戻ってこられるというのがあれば、失敗しても怖くない。失敗しても怖くないのであればどんどん進んでいける。その積み重ねが大きな自信になっていくと思います。
 
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変化のプロセスを知っておくこと

 
私たちが変化していく時は必ずプロセスがあるんです。今日、この話を聞いて変わろうと思ってもすぐに変わるわけではない。どういうプロセスがあって、自分がどの段階にいるかを知っておくとすごく楽になるので、お話しします。
まず、第1段階は離れるっていうフェーズ。前持っていた価値観が合わなくなって違和感が出てきた。例えば、転職のプロセスで考えるとわかりやすいんですが、今までいいと思って入った会社なのに何か違和感がでてきた、やりたいことが違う。第2段階は、現状からは気持ちが離れてしまったけど、どこに向かえばいいのかもわからない時期です。前にも戻れないし先にも進めない板挟みになっているような状況、これはニュートラルゾーンと呼ばれますが、必ず人は変化するときにこのゾーン落ちます。一番苦しいとき。転職を決めたもののその次に自分が何やりたいのか全く分からない、のような状態。すべてのプロセスの中でこれが一番長いといわれます。落ち込み続けて、底を見ると段々選択肢が見えてくるんですね。これが第3段階。本当に納得のいく変化を起こしたいのであれば、この選択肢の段階で、しっかり考えることです。やれそうなこと、やっても失敗しないことを選択肢に挙げるのではなく、本当にやりたいことを選択肢に入れてください。私はこの第三フェーズが一番大事だと思います。次の第4フェーズで、揃った選択肢の中から絞り込んでいく。絞り込むときにちょっとずつ試してみる。いきなり切り捨てたり1つに絞り込んだろするのではなく。第5段階で、ようやく動き出すフェーズに入ります。第1フェーズから第4フェーズまでは自分の心の中で起きている変化なので人からは見えにくい。で、第5フェーズになってようやく行動が人から見えてきます。ただし、変化は自分の心の中にも葛藤を生みますし、他者からも「最近変わったよねって、そんな人じゃなかった」と批評されたりします。しかし、それが事前にわかっていれば、怖くないですよね。
 
 
私自身がどのようなキャリアを歩んで来たか、私自身のコンプレックスは何で、それがどこから来ているのか、私がどう乗り越えてきたか、っていうのをお話ししてきました。女子未来大学のコンセプトにもあると思うんですけど、これが正解って訳ではありませす。これは私の自論。皆さんの中にも自論があって今聞いた中にも反論もあると思います。そこをどんどん色んな人と話し合ってみて自分のセオリーを磨いていってほしいなと思います。一方で、キャリア、コーチングとか自分の中でキーワードがあるのであれば、そこに対して理論的なものも見ていくと、自分の生き方に軸が出てくると思います。