*開催レポート*『これからの女性のキャリアはしなやかに、自分らしく』 女子未来大学 関西校ローンチ×Woo! 女性が輝く未来会議 in 関西<書き起こし 前編>

2014年11月のローンチから東京で授業を開催してきた女子未来大学ですが、「関西でもぜひ女子未来大学を開催して欲しい!」という声にお応えし、この度、女子未来大学 関西校をローンチいたしました。

今回は、“私らしさ”を貫く働く女性の生き方を、”関西”から発信し、女性たちの背中を押すヒントや情報を関西から発信するサイト「Woo!」とのコラボ企画、「女性が輝く未来会議 in関西」と題して、「Woo!」ファウンダーでもある株式会社ナチュラルリンク代表取締役の高野さん、「パワーママプロジェクト」の関西代表である井本さんをお迎えし、“これからの日本における女性活躍の理想の姿”“現状抱えている女性たちの課題”など様々なテーマでお話しいただきました。
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パート1 これからの女性のキャリアはしなやかに、自分らしく
第一部 パネルディスカッション「〜輝く女性たちが語る未来とは〜」

猪熊 早速第一部に入っていきたいと思います。お1人目のゲストは株式会社ナチュラルリンクの代表取締役の高野さんです。

高野 株式会社ナチュラルリンクの高野と申します。
後ほどパネルディスカッションでいろいろお話させていただくので、今現在の話をしようかなと思うのですが、2009年に企業の女性活躍推進をする株式会社ナチュラルリンクという会社を設立しまして6年半になります。
プライベートでは、2013年に第一子を出産しまして、今2歳半の娘がおります。

当社の事業内容としては、Woo!というサイトを昨年秋から運営しています。Facebookでも検索していただけたら毎日更新しているのですが、女性はこうあるべきとか、こうしなければならないではなく、私らしさを貫く女性たちを関西から応援するということをコンセプトに運営しています。そういうサイトって東京発信が多いと思うんですが、関西発信がないなとも思っていたので、関西から発信することで、日本中にインパクトが与えられることがしたいと思い、関西から発信しています。

猪熊 高野さんありがとうございます。
つづいて、人材会社で会社勤めの女性になりますが、パワーママプロジェクトで女性活躍を推進している方になります。井本さんです。よろしくお願いします。

井本 井本七瀬と申します。私は、お二方と違って、今も会社員をやっています。
今日お越しの方で会社勤めの方はどのくらいいらっしゃいますか?…7割くらいですね。

私は、ずっと一社経験で、新卒で入った会社でキャリアを積んできた人間になります。人材会社ということで企業側には中途採用のご支援だったり、個人側には転職のご支援とかキャリアカウンセリングとをやっています。私もプライベートでは子どもを2011年にひとり産んでいまして、4歳になる息子がいます。
復帰後に関しては、育休・産休から復帰してから管理職にキャリアチェンジをしまして、人材育成や教育統括などという形で仕事をしております。

あと、会社とは別にパワーママプロジェクトというものを運営しておりまして、これは女子未来大学さんと同じで、先に発足したのは東京で、パワーママプロジェクトを関西にというタイミングでお声がけいただいてパワーママプロジェクトの関西の発足をやらせていただきました。

パワーママというのは周りにパワーを与えるワーママの造語で、女子未来大学さんやWoo!さんとは少し違って働くママに焦点を当てているコミュニティで、運営も会社員などの働くママが中心になっています。

ただテーマは似ていて、自分らしくというところ。
というのも、ワーママってどうしてもネガティブなイメージが強いんですね。両立大変そう、ものすごい頑張らないといけないというイメージになってしまうけど、そうではなくて、等身大のロールモデルになるママたちのインタビューを行いまして、等身大ででも素敵だなという方のインタビュー記事を載せてサイトで発信しています。誰でも見られるようになっていて、そこからヒントを得てもらえればなという形でやっています。

もちろんリアルな交流の場をということでイベントなども開催しておりまして、国内初のワーママのための賞をつくろうということで「ワーママオブザイヤー」ということで東京と大阪連動で開催しました。ワーママってなっているのですが、プレママやパパにももちろんいっしょに参画いただけるので、もしご興味ある方はよろしくお願いします。

猪熊 最後に私も簡単に自己紹介をさせていただきます。
私はもともと大学で心理学の研究をしていて、「女性の自信の形成」に興味を持ちました。こんなにモノも情報も豊かな時代に生まれた女性が、自分も含めて、どうして自信がもてないんだろう?ということに興味を持ちまして、心理学の研究をやって、認定心理士の資格も取りました。

キャリアとしてはリクルートに入りまして、最初3年半ゼクシィというブライダルの情報雑誌の部署にいて、そのあとは3年半ホットペッパービューティーという美容の部署におりまして、リクルートで計7年間OLをやっていたのですが、その間は事業企画や企画・マーケティングなど仕事をしていました。

それで、その間もずっとダブルワークで女性を支援する活動を続けていて講演とかイベントとかでたくさんの女性に出会いました。
高校生から70代くらいまでの女性、2000人以上を超える女性たちに出会って、やっぱり女性に役立つことをしたいと思って株式会社OMOYAという会社を立ち上げました。(株)OMOYAでは主に、経営コンサルティングや女性向けの企画・マーケティングを得意とし、女性活躍推進事業なども行っています。その一環として駒崎とか岡田とかと一緒に女子未来大学という社会人女性向けの学びの場を提供しようと立ち上げたというような経緯を持っています。

株式会社OMOYAとしての社会の役割って何だろうと思ったときに、自分の役割と紐づくんですが、事業とかビジネスサイドは企業目線でものごとが進んでいることがあって、決定権を持っている人はまだまだ男性が多い。だけど女性の商品とかサービスっていっぱいあって、自分の一消費者としての感覚や女性としての感覚があって、そのビジネスサイドとのずれを感じていたんですね。


この真ん中にビジネスで伝えたいメッセージがあってそれをプロモーションとか事業戦略とかに落とすんですけど、消費者が持っているインサイト(潜在的なニーズ)を探り出して、提案してマーケティングやプロモーションをやっていく。この二つにある、目に見えないものの通訳をやることが自分の仕事、役割だということにリクルート時代に気づきました。だから、目に見えない「思い」の通訳をしたいというのがOMOYAの元のコンセプトです。

うちは2つの理念を持っていまして、「それぞれが多様な想いや価値観を持ちながら、自らの原点を理解し、想いに対して誠実に歩める世の中へ。」というのは、男女関係なく老若男女に対して思っています。
一方で、「女性の力を日本の中心に。 女性たちの可能性を最大化できる社会へ」という理念は、女性の可能性が埋もれてもったいなくて、可能性を引き上げたいという思いを持ちながら会社を経営しています。

最初は「起業」ではなく、「専業主婦」になろうと思っていた

猪熊 それでは、ここからはお仕事についてのお話をお聞きしたいと思うんですが、「どうして今の仕事にたどりついたのか?」についてお聞きしたいな、と思います。

高野さんの場合は、起業されていますよね。どうして今の起業という形の仕事にたどり着いたのか、ということについてぜひお聞かせいただけたらなと思います。

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高野 私もともと起業しようとは思ってなかった。将来は専業主婦になろうと思っていました。

猪熊 だいぶ違いますよね。世の中的なイメージでは対極のような。

高野
 はい。なんで専業主婦になろうと思ったかというと母は専業主婦で小学校のころから「ただいま」と言うと母が「お帰り」ということが当たり前で、女の人が働くという概念がなかった。だから私も専業主婦になるんだろうな、と思っていたんです。

そこから、大学3回生で就活を始めて、たまたま入社したのが企業向けに研修とかコンサルティングをする会社だったんですね。その会社に新卒で入って、営業に配属になりました。今でこそ人前で話すことも多いんですが、もともとは人前で話すとか本当に苦手だったので営業とかでも成果が出せなくて 一年目の頃とか給料泥棒とかってずっと言われていました。でもだめだなと思って奮起したおかげで営業で一番になれたりとかもしたんですが。

それで、26歳の時に営業先の社長とお話をしていて、「将来きみどうしたいの?」と聞かれたんです。26歳の頃ってどうしたい?って結構悩みますよね。実は新卒で入って給料泥棒って言われていた時に、あまりにも言われすぎて現実逃避で「社長になりたい」ってあこがれた時があったんですね。なので「起業したいです」ってとっさに言ったんです。

すると、「いいね。そのためになんの準備してるの?」って言われて、「え、なんもしてないですよ。」って言ったら「ふざけんな。」てめっちゃ怒られたんです。

「今この瞬間にやるかやらないか決めろ。」と言われたんですね、ほんと熱い社長で、なんか言わないといけないと思って、「やります!」と言ったら、「じゃあいつまでにやるん?」と言われたときに、それが2008年の10月ごろだったんですが、「じゃあ2009年の10月に会社つくります!」とそこで約束をして。その社長がほんとにいい方で、いろんな経営者の方を紹介していただいて、そこからどういう事業をするかって悩んで、ノートにいろんなことを書いたりして、東京の女性起業塾に通ったりしたんですが、結局自分が何をやりたいのかわからなくって、父や母とかにも大反対されたので、いったん起業ということは忘れようと思ったんです。

で、長年お世話になった会社を辞めるタイミングで、成果を作りまくって辞めようと思いまして、営業に集中したんですね。そのときに、立て続けに経営者の方から「女性にもっと頑張ってほしいし、結婚してからも出産してからもみんな辞めていく」という悩みを聞いたんです。じゃあ一方でそこで働いている女性社員さんはどう感じているかというと「働き続けたいし、ここの会社が好きだし、だけど前例がないし。社長は育休とかしてもらうと困る」と考えているんですね。

女性は働きたい、会社は働いて欲しいと思っているのに大きなギャップがある。じゃあそこのギャップを埋めるような会社を作ればいいんじゃないかと思って女性活躍推進をやろうと思いました。

だから、6年半前から関西で女性活躍推進をやっている会社はあまりないので、「先見の明がありますね」と言われて、そのときは「ようやく時代が追い付いてきましたね。」とかって答えるんですが(笑)。ほんとはたまたまで目の前のことをやっていたら、見つかってたまたま起業してきたという感じなんです。

猪熊 そうなんですね。高野さんの場合は、やりたい事業があって、こう起業しようではなくて、先に起業しようがあって、そのあとからテーマが見つかってきた、と。
ぜひ井本さんの話も聞かせてください。

産休育休中は自分自身のブラッシュアップ期間に


井本 私は新卒で入る前はフリーランスを目指していたんですね。ラジオのパーソナリティーを目指していて、もともと事務所に入って仕事もしながらその道で行こうかなと思っていたのが大学時代なんです。だから大学のときは、ダブルスクールをやっていたんですね。

ただその道で行くか?就活するか?という中で、わたしがもともとラジオのパーソナリティーをやりたいなと思っていたのは、自分を通して誰かに影響を与えたいとか思っていたからなんですが、実際求められるのはアナウンススクールのようなきれいに話すことだったんです。

そのなかで、ほんとに私がやりたいことができるのかなと考えた時に、私はどっちかというと、おもしろい話をしていたいと思っていたのですが、それをやるためにはラジオのパーソナリティーではないな、と。でもそれができる別の仕事がわからなかったので、何々業界みたいなところに入らずに、どこにでも起こる問題を解決するところに入れば社会のことも知れるかなと思って、人材はどの業界でも悩むことだから大丈夫かなって思って人材紹介の会社に入ったんです。
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私は高野さんと違って、どっちかというとバリキャリ思考で大学時代も意識高い系で自分にものすごく期待をしていた。どう生きて行くかとか、どうキャリアを積んでいくかというテーマが好きですって感じだったので、ずっと何かを探している感じだったんです。

だから、早く周りの期待に応えて昇格するみたいなことを目指していたんですが、やっぱり何か自分の気持ちと合わないことを無視しながら周りの期待に応えるということをずっとやっていて、しんどかったんですね。終電とかまで働いていて、ぜんぜん苦ではなかったんですが、ずれている感覚を持っていて。

それで、子供ができたタイミングで産休育休をとったときに、ほんとに「自分らしく働く」ということを見つめ直そうって思ったんです

色んな女性から相談されたんですけど、「やっぱり産休育休ってキャリアとしてはブランクですよね。一番上り詰めたい時期に抜けなきゃならないなんて、産休とか育休とか考えられないんです。」って質問されたりするんですが、私は「産休育休はブラッシュアップととらえたほうがいいよ。社会に出てから、いったん止まって考える時間が取れるって、すごくいいから、いままで気になっていたことを学びなおしたりとか、考え直したりとかしてもいいんじゃない?」と思っていたんですね。

でも、ほんとは復帰せずに会社を辞めようと思っていて、起業しようとか思っていたんですけど、自分で育休中にいろいろ学んで、キャリアコンサルタントの資格をとったりとか、ワークライフバランスを学んだりとかしていたなかで、自分の強みとかをいろいろ棚卸して、起業をするよりも組織のなかで自分らしさを追求して新たなことを生み出すことのほうがチャレンジングなんじゃないかなと思ったんです。ほんとは営業のリーダーとして戻ってきてほしいといわれたんですが、それを突っぱねて、組織に新しいポジションをつくってくださいって生意気にプレゼンして、承諾をいただいて初めて人材育成ということをやらせてもらうというポジションを作ってもらってやっています。

女性ってやっぱりもともと教えることがうまいと思うんですね。客観性も強くて、あと共感性も高いので、だから私の後につながって、そういう形で育休から復帰の仕方をする女の子が増えてきています。

“自分の意思”と“意志ではどうにもならない部分”を併せ持って描く


猪熊 自分らしく働きたいと思っていらっしゃる方は、今日たくさんいらっしゃると思うんですよね。ある意味最初から自分らしく働いているわけじゃないんですが、働いている中で感じることがあってそれをやっていくうちにどんどん近づいていく“らしさ”ってあるのかなと思うんですけど。

私も少し自分の話をさせていただくと、私は大学生の時に女性の自信形成に興味を持って、「女性が豊かに自由に生きていく社会へ」っていうテーマを決めまして、就活生向けブログとか大学生の時から発信をつづけて、講演とかイベントに呼んでいただいて話していたりしたんですけど、女性が幸せになることに自分の命を使っていこうっていうのを決めたのは大学生の時なんですね。

これは本当にいろんな要因があって、女性の自信形成ということを心理学から学んでいたこと、周りの女性に自信がなかったこと、みんながすごく不安そうに悩んでいたこと、相談に来てくれる女性たちが8割9割泣くんですよ。

「私はどういうことがやりたいのかわかりません。どうやって働きたいのかもわからない。」って泣いている女性を見てきてすごくシンプルなんですが、目の前で泣いている人たちをほっとけなかったんですね。それが自分の中で強い原体験となって、たくさんの女性と会っていく中で、一人の女性が泣いているということは、同じような思いを抱えている何千人という女性が悩んで泣いているんじゃないかって思ったんです。


一方で経営者になろうと決めたのも大学生の時で、大学生の時にいろんな経営者に会うことがあって、経営者という仕事って面白いなって思いました。なんか経営者って自分100%で生きているなって思ったんです。
頭だけ使うとか手だけ使うとかではなくて、「自分がどう考えて何を感じてどう生きているか」というのが事業を通して社会に反映している仕事だから、自分100%で生きていける仕事がすごくいいなって思ったんです。
100%生きるということがある意味自分らしいことなんだなと感じていて、経営者になろうと思っていました。

だけど、自分の視野が狭いのも分かっていましたし、実は女性の支援というのは「奉仕」、つまりお金を頂けなくてもやりたかったんですよ。でも、そうすると、自分が食べていけないし続けていけないじゃないですか。そしたら一生の仕事にできない。

だから、もうリクルートに入るときにはそこで学ぶ目的が明確に決まっていて、就活生なのに生意気で、「私、将来は女性を豊かに幸せにする事業で起業しようと思ってます」って「リクルートで何を学びたいかというと、ビジネスを学びたいです。誰が何に価値を感じてお金を払ってくれるのか、どうやってビジネスの仕組みを継続していくのかそれを学びたいと思っています」って言って入ったんです(笑)。

リクルートの中ではめずらしく希望が通って女性消費の事業だけをやってきましたし、企画・マーケティングという女性たちに寄り添える仕事をずっとさせていただいたので、そこで自信を積んでいって、自分は社会の女性に価値を返せるんじゃないかと思って起業につながっています。

私は実は大学生のころは、高野さんと同じで「専業主婦」になりたいと思っていたんです
母に言われたのは、「大学生のとき、まりちゃん専業主婦か女社長になるって言っていたよ」って。

それが普通の人から聞くと両極に聞こえると思うんですが(笑)、私の中では全部つながっていて、自由な生き方をしたいと思っていたんですよ。経営者になって自分で稼いで経済的自由を手に入れるか、旦那さんに稼いできてもらうか(笑)、はそんなにこだわりがなくて、どちらでもいいので、自由な生き方をしたいなと。そういう選択肢を持てる自分でありたいなと。

キャリアウーマンになったら結婚とか妊娠とか興味がなくて諦めなきゃいけないって世の中の人はステレオタイプをぶつけてくることもあると思うんですが、自分がそう思う必要はまったくないと思うんですよね

専業主婦志向でもいつのまにか経営者になっていたりとか、キャリアウーマン志向でもいつのまにか家庭を何よりも大切にしたいと思うようになっていたりとか、そこは緩やかに変わっていっていいと思います。

あとお二人とも会う人から影響を受けていますよね。

自分がこうでなきゃだめっていうよりも、素直に吸収して自分の意志と、運命的なものと両方が混じっていると思うんですね。
このキャリアの考え方はすごく重要で、これからの女性の多様な在り方っていうのは何かっていうと、「意志」の部分と「意志ではどうにもならない部分」を併せ持つキャリアを描きながら、たまたま想像通りの自分らしいキャリアを描ける女性もいるし、想像とはまったく違うキャリアの道をいく女性もいるという時代に入ってきてるのかなと思います。

開催レポート(中編)につづく。