*開催レポート* 5/28 やりたいことを「事業」にする秘訣を先輩女性起業家に学ぶ!女性が起業する時に知っておくべき大切なこと<後編>

今回の授業は、「妊産婦さんが安心して新しい命を迎えることの出来る社会をつくる」をコンセプトに、産前産後ケアの会社anzucco を起業したガスケール杏子さんを教授にお迎えして『女性が起業する際に知っておくべき大切なこと』をテーマにお話しいただきました。
前編はこちら

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読んでる雑誌を想像できるまで顧客をセグメント化する

では、収益化についてですが、これは起業アイデアの途中からそれに執着する必要があると思います。
まず、ジェネラリストよりスペシャリスト。要はニッチマーケットをしっかり狙っていくというところです。差別化されたビジネスモデルほど高利益率を保ちやすいんですね。ニッチマーケットって相場がないんです。例えば、マッサージ1時間って言えばいくらくらいだよねとか相場がすぐに思い浮かんじゃいますよね。ところが、ニッチマーケットを狙うことで自分なりに利益が取れる、そして成果がでるプライスに出来るというのがあるんです。なので、ニッチマーケットにいち早く入って、プライスリーダーを取ることが高利益率を取る上で非常に重要になってきます。
ただし、ニッチすぎて、自分にしかできないサービスというのはおすすめしません。私の友人でお客様がすでにたくさんいるので起業した子がいるんですけど、結局、彼女のコネクションと彼女のナレッジでしか仕事ができないので、雑務をしてもらう人は雇うことはできても売上を作る上では彼女が働いた以上の売上は上がらなくなってしまうんですね。そうなると企業としての発展というのは限られてしまいますので、自分にしかできなさ過ぎるサービスというのはおすすめしません。ゆくゆくは人を雇ってその人にやってもらえるような内容であることというのは起業する前から考えていただきたいと思います。

次にいきなりマスマーケットは狙わないというところですね。薄利多売ビジネスというのは、資本が莫大に必要になって来ます。よっぽど事業提携があったり、ものすごいお金をポンとくれる人がバックにいない限りはやめた方が良いです。いきなりマスマーケットを狙うことはせず、逆に一番最初はターゲットをなるべく絞ることです。それによって、企業のカラーであったり、後々のマーケティングの仕方も細かくなってきます。例えば、私の例で言いますと、ターゲットは産前産後のケアなので妊婦、産後の女性。居住地区が港区、品川区、渋谷区、目黒区、一部大田区、そこに狙い撃ち。働いている女性だったら外資系金融、外資系コンサル、後は医者、弁護士、起業系の方か総合職でバリバリやっている方でイメージとしてはルブタンハイヒール履いてガンガン歩く人みたいな。読んでる雑誌はDomaniか、CLASSYかぐらいそこまでセグメンテーションしてます。なぜそこまでするかというと、それによってマーケティング商法が決まるからです。価格もすごくつけやすいんですね。ターゲットは広ければ広いほど、価格センシティビティーっていうのが変わってくるので、低い方に引きずられるんです。なぜならそっちの方が売れる気がするから。ですが、ニッチマーケットを狙って高利益率を保つなら、それくらいピンポイントで絞れば、この人たちにならこの値段で通じるっていう値段が上がってくるんですね。なので、マスマーケットは狙わずに、こんなお客さんに買ってもらうっていう写真を描けるようなレベルまで顧客をセグメント化すると成功しやすいと思います。

最後が利用頻度。これは言い方を変えると大型の単発購入よりも中型の継続購入ということで、例えば不動産を買ってもらって一気にお金が入っても何年かに1回だったらビジネスとしての安定性は全くないですよね。それだったら、何千円であっても毎週、毎月使っていただく方が良いわけです。なので、そういったビジネスモデルをまず考えること。売り切り性のビジネスモデルにしないということですね。女性は特にアイデアは豊富なので、この商品すごく良いとかすぐ開発できちゃったりするんですけど、それで本当にリピーターが出るサービスなのかということを考えていってください。あと、なるべく初めからリピーターがでる仕組みにしてください。利用頻度が上がる仕組みを作っていくというのは、うちの場合は、あえてチケット制を使ってもらっています。一見ありきたりな仕組みに見えるかもしれませんが、圧倒的にリピート率が上がります。こういった仕組みを始めから作るということですね。これが起業アイデアの段階で意識していただきたいポイントです。
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一律逆算方式で夢を実現する

では、最後に目標設定の方法について、私は起業家とそうでない方で決定的に違う部分があると思うので紹介させていただきます。それは積み上げ方式で目標設定をしないというとことですね。どういうことかというと、今目標を書いてくださいというと、現実的なことしか書かれないんですよね。今の会社の中で3年後はこの立場になっていてとか。それをやっている限りは実現可能性の高い夢しか描けないので、そうではないです。
じゃあどうすれば良いのかというと、起業家は一律逆算方式でできていると思います。何かっていうと、突拍子もない夢をあげちゃうんですね。そこからじゃあどうすれば良いのっていう逆算でどんどんやっていくというやり方です。
私は何を掲げたのかっていうと、「安心して子供を埋める社会を作る」だったんですね。じゃあその為には何が必要なのかというところで産後に安心できるサービスが欲しいと思った。それによって、ゆっくりちゃんと体を休めた上で復職できると。じゃあその安心できるサービスって何っていう逆算で助産師のサービスであったりとか、体を作り直すためのヨガインストラクターの派遣という落とし込みだったわけです。そういう落とし込みをする為に逆算で目標を作る。
逆算方式の良いところは、近道を見つけやすいというところですね。一番上に目標が見えていると、今こっちに向かっているんだったというのを常に行き戻してもらえるので、近道を見つけやすい。今やっていることはなんのためにやっているんだっけという意義を見失わないように非常に起業家として強いメンタルを持ち続けられると思います。

最後に3つだけ、
「自分が起業した時の姿を描くことができますか」
「自分にとって成功とはなんですか」
「自分がなりたい姿はどんな姿ですか」
ということです。

顧客のセグメンテーションを写真が見えるほど正確にと申し上げましたが、私は夢に関しても同じだと思っています。私は起業したときに自分が社長になったらこういうことをするとか、自分が子供を産んだ時にはこういう生活をしていたいとかをすごい具体的に思っていました。そういう目に見えた青写真があると、仕事をしながらもブレずにその目標に向かって走ることができるので、起業される前にはぜひこの3つの質問を常に問いかけながら、より詳しい夢を描いていっていただけたらなと思います。

起業も出産もベストタイミングはない

猪熊:ここからは皆様からいただいた質問にお答えします。女子未来大学ファウンダーの猪熊と、引き続き、杏子さんにもご一緒いただいて進めていこうと思います。

質問:キャリアチェンジ、起業に踏み出す時のタイミングの見極めはどうしましたか?

ガスケール杏子:出産も含めてタイミングの話はすごく質問が多くて、私がたどり着いた答えがベストタイミングはないという答えですね。キャリアは積めば積むほど捨てにくくなります。そういう意味だと、将来の中で今日が一番キャリアが短いんですね。なので、一番捨て易いのは今日です。出産でも卵子が一番若いのは今日です。なので、ベストタイミングってないと私は思っていて、迷った時がそのきっかけですし、一年後はもっとキャリアを捨てるのがもったいなくなってると思います。ベストタイミングはないと思えば、意外といつでも踏み出せるんですよね。
あと、起業でいうと、踏み出しても戻れるようなビジネスモデルで始めるのも一つだと思います。私の場合は7年間金融業界にいたんですが、3年やって利益にならなかったら戻ってこようと思ってました。

猪熊:周りの起業家を見ててもタイミングってそれぞれで、自分のタイミングの人もいればマーケットのタイミングで始める人もいるし。きちんとキャリアを築いてきた人ほど、失うのがもったいないキャリアってあると思うので、ビジネス側のタイミングで決めるのもありなのかもしれないですよね。

あと、子どもを持ちたい女性の場合は、起業しちゃうと出産が先送りになる心配もあると思うんですが、杏子さんはなかったですか?

ガスケール杏子:私は、出産のタイミングもベストタイミングを探さないやり方をしていました。私は起業3年目に入る前に妊娠して、産前産後ケアの会社なので、逆に妊娠はよかったです。自分が子供産んでからはサービスの層も厚くなったなと思いますし、欲しいサービスがわかったりもするので。私は妊娠がネガティヴにならない業種なので特殊かもしれませんが。
ただ、どの業界にいても、子供が欲しいんだったら生むべきだと思います。子供が欲しいのに作らなかった後悔って取り返しがつかないと思うので。今のベースで考えてるから、いつがベストかなとか想像しちゃうと思うんですけど、いざ子供が生まれたら考え方とか生活とか全部変わっちゃうので、それはそれで回るんじゃないかな。

質問:個人事業主登録はしているものの、準備不足で結局雇用されて生活費を得ています。今は利益になっていなくて焦りや不安が大きくなったり、一番はお金の不安が大きいので、その乗り越える方法を教えてください。

ガスケール杏子:私の場合は、貯金をいくら作ったらって決めてましたね。1年分の生活費と2年分の運転資金。私は3年やってダメだったら戻ろうと思っていて、逆にいうと、2年分の運転資金の貯金を削れる間はやるって決めました。確かに、貯金を削って生活するってすごく不安になってきちゃうんですよね。メンタル的にもどんどんせこくなっていくんですけれども、そうなると、やっぱりお客様からしっかり利益はもらわないとってお尻に火がつくので、私はその方がマネタイズはできたかなって思います。逆に固定収入をもらっている状態の方が、まだ起業準備中なので安くていいとかお金にならない。一番怖いのって損切りができないことなんですよね。ダラダラ赤字が続いて、でもやるって決めたからもう戻れないみたいのが一番苦しくて、結局アルバイトでつないでとかだと元も子もなくなってしまうので。なので、お金の話に限って言えばエンドを決めて始めればいいのかなと思います。
あと、お金に対する恐怖感のレベルを知っておいた方がいいかなと思います。もし、その恐怖感が大きいのであれば、例えば、年金タイプの投資をして資産作りをしてからやめて、多少の不労所得みたいな形で入ってくるようにする。それで安心感を得られたら辞めて見るとか。なので、起業にとってお金ってすごくリアルな部分だし、人によってお金の価値観や生活はそれぞれなので、キャリアチェンジされる前に自分のお金に対する向き合い方がどうなのかを考えてみた方がいいと思います。

質問:今後のお仕事的な展望と、杏子さんご自身の展望をお聞かせいただきたいです。

ガスケール杏子:まず、産前産後ケアanzuccoの方で言えば、みなさんが産後は助産師のケアを受けるのは当たり前と言うような社会にする。それによって子供を育てることのハードルが下がって出生率が上がって復職率も上がってという社会的な問題を解決できればなというところです。企業としては成長の道しかないと思っているので対応エリアも広げていければいいかなと思っています。
私個人としては、マルチキャリアで生きていく女性像を社会に発信していければいいかなと思っていて、女性の働き方って人生のフェーズによって変わるべきだと思っているんですね。一つのキャリアしかないと強弱がつけにくいけど、2、3本のキャリアの柱があるとライフイベントによってキャリアプランニングができるので、そんな生き方があっていいと思います。一つのキャリアに固執しないでマルチキャリアでやっていける社会になったらいいなと思っています。